川口 孝男
川口 孝男
Takao Kawaguchi
PROFILE
川口孝男建築設計事務所 代表
多摩市で新築住宅、リフォーム(リノベーション)、集合住宅、学校建築などを中心に設計活動をしています。住み手と共に時を刻み、経年によって味わい深くなる空間づくりを目指しています。
1967年   福井県小浜市生まれ
1991年   名古屋工業大学社会開発工学科 卒業
1991年   内井昭蔵建築設計事務所 勤務
2005年   川口孝男建築設計事務所 設立
2014年~ ハウジング・コーチ
COMMENT
「ハウジングコーチ・セッション」に加えて「ハウジングストーリー・セッション」の2本立てで家づくりのコンセプトを明確にします。
コミュニケーションを重視し、ひとつひとつの設計過程を丁寧に積み重ねることで、後悔しない、本当に望む幸せを手に入れられる住まいを実現します。
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「自分軸」を見つめることの大切さ、について扱った前2回のブログを読んでいただいた方は、 「価値観」は「自分軸」とは違うのか? と思われた方もいらっしゃると思います。 正直言って、言葉の定義って微妙なところがあります。 他の方の表現とは多少ニュアンスが違っているところもあるかもしれません。 そこに今回は注目し、私なりにこの両者の捉え方を説明してみたいと思います。 (長いです)   突然ですが、 あなたは今、「雪山でスキーをしている」とイメージしてみてください。 スキーはできないし行ったこともない、という方も想像でOKです。 自分がアルベルト・トンバになった気分でどうぞ。(←例えが古すぎ)   リフトで頂上まで行き、雪山からの景色を眺めています。 どのコースが気持ちよく滑れそうかを見定め、右に左にターンを切りながら優雅に滑っていくあなた。 もしかしたら、調子がよくてコブを果敢に攻めるかもしれません。 初心者であれば、ボーゲンで大きくターンを切ってゆっくりと滑っていくでしょう。 新雪の上を風を切りながら気持ちよさそうに。   ・・・・・・   コースを滑り終えてきたら、ちょっと斜面を振り返ってみてください。 滑り方によってもちろん幅はありますが、左右に曲線を描き、時にコースを変えながら滑り降りてきた跡が見えるはずです。   ところで、 あなたはどうして一直線に直滑降で滑り降りてこなかったのでしょうか?   あたりまえですよね。 そんな滑り方は危険だし、第一楽しくありません。 (中にはそうゆう滑りを楽しめる方もいるかもしれませんが・・・)   滑ってきたスキー跡は、あなたの「スキーにおける個性」とはいえないでしょうか。 どんなコースを選び、どんな曲線を描き、どんなスピードで滑ってきたか、 振り返るとよく分かるんじゃないでしょうか。 「あそこで転んだなぁ」 「けっこう上の方で休憩したんだ」 といったこともきっと分かりますよね。   閑話休題。 ここで話を本題と絡めます。(←ちょっと強引)   私が思う「価値観」とは、この新雪にできたスキー跡です。 決して一直線ではありません。 右に左にぶれています。 斜面の状態、自分の調子、他のスキーヤーとの距離感などを瞬時に判断し、ターンを切って滑ります。 余裕があれば、雪山の景色を堪能しながら。   「価値観」も同様に、その時その状況によって揺さぶられ、衝撃的な出来事や印象的な出会いによって変化したりします。 変化の度合いは人それぞれですが、それが人としての成長につながっているような気がします。   この時「価値観」を揺るがしているものってなんでしょうか? それは「感情」です。 その場その時に湧き起こる様々な「感情」を自分の中で意識的及び無意識的に瞬時に判断し、人生のターンを切ります。 それは小さなターンかもしれませんし、大きなターンなのかもしれません。   そうです。 「価値観」とは時間と共に、或いは場面によって「ある程度」ぶれたり変化するものなのです。 ただしここで重要なのは、ぶれや変化といったものも、ある幅の中に納まっているということ。   もう一度話をスキーに戻しますが、 あなたがスキーをしている様子を少し俯瞰で眺めてみてください。 どんなに大きなカーブを切って滑っていても、コースの幅の中での話です。 大きく見れば、山裾に向かって滑っている点では方向性も変化ありません。 更に大きな視点で捉えると、 なぜ、あなたはスキーをしているのかと問うた場合、 「雪山で自然の美しさを堪能しながらこの季節にしかできないことを楽しみたいから」 となるのではないでしょうか? 何本滑っても、滑り方を変えたとしても、はたまた途中でスノボにチェンジしたとしても、その目的は変わっていないはずです。 ランチタイムに混雑する人込みを避けながらメニューを選んで、ごく普通のカレーライスが美味しいと感じるのも、帰りの大渋滞に巻き込まれて「まぁしょうがないか」と諦められるのも、その目的を持っているから、と言えそうです。   スキーにおけるこの 「雪山で自然の美しさを堪能しながらこの季節にしかできないことを楽しみたいから」 にあたる「変化のない目的」というのが、「自分軸」にあたります。   「自分軸」は相当なアクシデントでもない限り、簡単にはぶれません。   この「自分軸」に気付けるかどうか・・・   自分がこれから住む家と、長く良い付き合いを始めるにあたっては、これがいちばん重要になるのです。   いかがでしょうか。 「価値観」と「自分軸」のニュアンスの違いを感じていただけたでしょうか。     では、次回もお楽しみに!

前回のブログでは、 家づくりには「自分軸」を見つめる必要があり、そのためには ①.「自分」を人生の時間軸の中で客観的に捉える ②.価値観や考え方は、変化したり、ある程度ぶれるものだと理解する 必要がある、と書きました。   今回は、①について。 「自分」を人生の時間軸の中で客観的に捉える、を少しだけ詳しく考えてみます。   「今現在のわたし」が採用している、考え方、行動、嗜好、などは、たとえば10年くらい前と比べてみて、変わったところもあれば、ほとんど変わっていないところもあります。   一般的に、人生観に影響を与えるようなライフイベントを経験することによって大きく変化することは当然あるでしょうし、親族、友人、恋人、メンターなどからの言葉にインスパイヤーされることもあると思います。読書からの影響も小さくないかもしれません。   わたしたちは上記のように、普段の生活の中で起きる外的要因によって「明らかに変化する」場合もあれば、何気ない行動や生活習慣、環境の小さな変化によって、無意識、無自覚的に「ごく微量に変化し続けている」可能性もあると考えられます。 もちろん、「変化」というものは明確に上記2通りに分けられるものではなく、その間には無限のグラデーションが広がっているはずです。   「変化」が小さければ小さいほど、その時々においては自覚することは難しく、仮に他人から指摘されたとしても、「そうかなぁ?」といった具合に、ピンとこないことのほうが多いかもしれません。 きっとそんなものなんだと思います。 ある程度の時間をおいて人生を振り返った時に、初めて「そういえばここは少し変わった」と理解されるようなものなのでしょう。 つまり、わたしたちは意識的に長いスパンで自分を見つめようとしない限り、自身に起こっている変化(及び変化していない部分)を自覚することが難しいのではないか、という至極当然の指摘なのです。   ところで、家というものは、相当な時間を共に過ごすことになる大変高額なハードウエアになります。 そんな家づくりにおいて、「今現在のわたし」だけにものごとを判断させるのは、結構なリスクをかかえることになりかねません。その理由が、この「変化」に対する自覚の薄さなのです。   「変化」はおそらく現在進行形でわたしたちの身に例外なく起こっていて、これから先の人生でもスピードの違いはあったとしても、けっして止まることはないのでしょう。そう考えておくほうが合理的です。   このような「自分の変化」を正確に捉え、理解や予測することは確かに難しいかもしれません。でも、人生を客観的に振り返ることで、長いスパンで見つめることによって、いくつかの「傾向」は掴めるのではないか、と考えています。   それが今回のテーマ:「自分」を人生の時間軸の中で客観的に捉える   ということになるのです。 「自分軸」を見つめるにあたっては欠かせないテーマのひとつ、と考えています。   では、次回の②もお楽しみに!

今どきは、ちょっとネットを検索すると、さまざまなサイトで「失敗しない家づくり」、 「満足できる注文住宅を手に入れる方法」といった情報を見付けることが出来ます。   実際それらサイトのいくつかを訪ねてみると、コンテンツがそれぞれ非常によく考えられていて、感心します。 建て主にとって有益な情報を丁寧に解説し、必要な知識が得られるようによく考えられています。   実際に家を建てようとか、購入しようとした場合、「失敗したくない」と考えるのは誰しも同じでしょう。 なので、これらの情報に接すると、いかにも「自分のために書かれたコンテンツだ」と思ってしまうのも無理はないと思います。   確かに、知らないよりは知っていたほうが良い知識が、これらのサイト、或いは本によって身に着くことは疑わないのですが、 家づくりに関してもっとも重視しなければならないものは、決して入手することはできないことに注意を払っておく必要があります。   「もっとも重視しなければならないもの」、それがタイトルのとおり「自分軸」というものです。   「あなたの自分軸は〇〇です」   などと占いのように言い当ててくれるサイトは、私の知る限り(笑)、存在しません。   つまり、「自分軸」に関する情報入手は、決してアウトソーシングできないものなのです。 それは、自分の中にしか「自分軸」が無い、という当然の事実ゆえ自明のことです。   では、「自分軸」とは一体何なのでしょうか?   それには、次のことを考える必要があると思っています。   ①.今の「自分」というものを、人生の時間軸の中で客観的に捉える。   ②.価値観や考え方は、変化したり、ある程度ぶれるものだと理解する。   この2つを考えずして、「自分軸」を理解することはなかなか難しいのではないでしょうか。 ちょっと難解かもしれませんが、次回以降はこれらを説明してみたいと思います。   では、次回をお楽しみに!

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